みなし相続財産
Q 「みなし相続財産」とはなんですか?
A 相続税課税対象財産の内、遺産分割協議の対象となる「本来の相続財産」以外の相
続財産のことです。「本来」は被相続人から承継取得、「みなし」は原始取得という
根本的な相違があります。
このため、「本来」は遺留分の対象になるが、「みなし」は対象外、「本来」は相続
放棄をしたら受け取れないが「みなし」は受け取れるという違いが生じます。
Q 「みなし相続財産」には、具体的にどのようなものがありますか?
A まず、死亡保険金(契約者:被相続人、被保険者:被相続人、受取人:相続人(そ
の他))と死亡退職金が挙げられます。これらの場合、非課税枠があります(それぞ
れ、500万円×法定相続人数)。
また、相続開始時に保険事故が発生していない生命保険契約で、被相続人が保険
料を負担し被相続人以外の者が保険契約者である場合(被保険者:被相続人以外)、
生命保険の権利の評価額=相続開始時の解約返戻金の額が「みなし相続財産」にな
ります。上記の生命保険契約で被相続人が保険料を負担し、かつ保険契約者である
場合(被保険者:被相続人以外)は「本来の相続財産」になります。
Q「本来の相続財産」と「みなし相続財産」の相違を理解しておくことで、相続発生時
に役立つことはありますか?
A 両者の相違を理解しておけば、被相続人の債務が多額ではあるけれども、「みなし
相続財産」が相応にある場合には、相続放棄を躊躇なく選択することができます。
また、遺産分割協議の対象となる「本来の相続財産」においては相続人の寄与
分が認められにくいという現状がありますが、自らが保険料を負担し、寄与のある
法定相続人を保険契約者かつ被保険者として生命保険契約を締結しておけば、当該
法定相続人の寄与(貢献)に報いることができます。
Q「みなし相続財産」について、留意しておくことはありますか?
A 被相続人を契約者とする生命保険契約によって相続人が受け取る保険金が著しく不
公平な財産配分とみなされ、「特別受益」として相続財産に持ち戻しをされる場合が
あります。
明確な基準はありませんが、(遺産総額+死亡保険金)の3分の1を超える死亡保
険金の場合、「特別受益」とされる可能性が高いと言えます。最高裁判所平成16年10
月29日決定は、(遺産総額+死亡保険金)の15.1%の死亡保険金の場合に「特別受
益」に当たらないと判断しました。
以上

