稲井法律事務所

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区分所有法制大改正の要点

 建設ラッシュが続く首都圏のマンションですが、建物の老朽化、区分所有者の高齢化にともない、さまざまな問題が顕在化しつつある。
 高騰する建て替え費用、高齢化や非居住化、国外所有者の増加に
よる合意形
成の困難などなど、こうした問題の解決を目指し、約22年ぶりに区分所有法改正(令和7年5月30日施行)がなされたので、その要約をする。
1 この法律がマンション建物を「専有部分」と「共有部分」に分 
 け、専有部分は修繕して、居住、賃貸などが可能であるが、構造 
 部分の設備の変更には制限がある。

  共有部分とは、建物構造や廊下、階段、外壁、屋上、エントラ 
 ンス、配管設備などで、勝手な移動・利用は原則不可です。

  修繕工事には、通常の管理行為(理事会または管理者の判断で 
 実施可能)と、特別決議が必要なケース(組合の承認を得る)が 
 あります。

2 通常の管理行為に属する修繕は、小規模かつ軽微な修繕や清掃
 で、原則として理事会や管理組合の管理者の裁量で速やかに実施 
 できます。

  雨漏り・水漏れの修繕、階段・ベランダなどの鉄部塗装、共有
 スペースの壁・ドアなどの軽微な修繕、共有スペースの電球交
 換・照明器具の修理などが該当しますが、高額な修繕費用がかか
 り管理組合の財政に大きな影響を及ぼす場合は、特別決議(区分
 所有者の過半数以上の賛成が必要)となります。

  管理組合の蓄積された金員で修繕できる場合は、管理行為に属 
 すると見なされますが、組合員への説明は必要です。

3 特別決議が必要なケース
 建物の構造部更地使用用途の変更を伴う大規模な修繕又改善工事 
 や高額修繕費用がかかり管理組合の財政に大きな影響を及ぼす場
 合は区分所有者の過半数以上の賛成を要する特別決議が必要で 
 す。

4 建物を建替えする場合の要件
 従前は、区分所有者及び議決権の核5分の4以上としていて、建
 替えが困難でした。

  基本的な多数決割合を区分所有者及び議決権の各5分の4以上 
 を維持した上で、建物の区分所有者に関する法律第62条2項各
 号に該当する建物(地震に対する安全性に係る建築基準法又はこ
 れに基づく命令若しくは条例の規定に準ずるものとして法務大臣
 が定める基準に適合しないとき等)の建替えの部分は議決権の4
 分の3以上の多数決で足りることになりました。
                            
以上