Q 私の家は古くなり修繕しようと思いますが、敷地が袋地で建設機械を取り入れる必
要がありますが、どうすればよいでしょう。
A 民法211条1項には、「他の土地に囲まれて公道に通じない土地の所有者は公
道に至るためその土地を囲んでいる他の土地を通行することができる」と定めて
います。
図のAの部分を通行できますが、Aの所有者と設定契約を締結し、通路部分を利用
することができます。
通行の場所及び方法は、袋地所有者のために必要であり、かつ、囲繞地所有者に
とって損害が最も少ない範囲に限られます。一般に囲繞地の所有者に通行料を支払
う必要があります。
Q 通路の巾なのですが、建築基準法42条で建築物の敷地は幅員4m以上の道路に2m
接しなければならないとありますから、2m巾を要求できるでしょうか。
A 接道義務と通行権はイコールではありません。最高裁平成11年7月13日の判例
では、民法と放と建築基準法は、その趣旨、目的を異にしており、当然には2m巾を
要求できないとしています。
つまり道路の所有者と2m巾の通行を認める契約(地役権)をしなければ、2m巾
は認められないことになり、通常の80㎝巾位の通路だと建築機械を手で運ばなけれ
ばならないことになり、民放200条により隣地の使用ができない限り、現実に建
築は不可能です。
通行権を設定してくれるように交渉したり、通路部分の買い取り、通路部分と自
分の敷地面の一部を交換して感してくれるよう頼むのですが、交換の場合、袋地側
の利益が大きいので、より広い土地を提供する必要があります。
こうした交渉が成立しないと、袋地は非常に安価にしか評価されず、二束三文で
しか売れなくなります。
Q 分かりました。交渉してみます。なお単なる通行権の場合、必ず通行料を払わなけ
ればならないのでしょうか。
A 民法212条で定めていますが、相手に迷惑がかかるので、通行料を払います。
但し、袋地が囲繞地の土地を分筆した結果出来た場合は、分筆の相手方の所有者に
対してのみ囲繞地通行権を主張できますが、この場合、囲繞地の所有者に対して通行料を
支払う必要はありません(民法第213条)。

