Q 住宅瑕疵担保履行法という法律が成立したと聞きました。どんな法律ですか?
A 正確には「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」と言って、平成11年6月に制定された住宅品質確保法(「住宅品質確保の促進等に関する法律」)に定められた瑕疵担保責任の履行を確保するための資力確保措置を義務付ける法律です。
Q 住宅品質確保法に定められた瑕疵担保責任とはどのようなものですか?
A 新築住宅の売主及び請負人が、構造体カ上主要な部分と雨水浸入防止部分を対象部位として負う民法の定める期間より長い10年間の瑕疵担保責任で、特定瑕疵担保責任と言います。
Q 住宅瑕疵担保履行法では、新築住宅の売主及び請負人であれば、誰でも、特定瑕疵担保責任について資力確保措置が義務付けられているのですか?
A いいえ。特定瑕疵担保責任について資カ確保措置が義務付けられているのは、建設業法の許可を受けた建設業者と宅地建物取引業法の免許を受けた宅地建物取引業者に限定されています。
Q なぜ特定瑕疵担保責任について、資力確保措置が義務付けられたのですか?
A 平成17年に発覚した構造計算書偽装問題で、新築住宅の売主等に充分な資力がない場合や、瑕疵担保責任の履行請求をする住宅購入者等が多数の場合には、住宅購入者等が極めて不安定な状態におかれて、住宅品質確保法で特定瑕疵担保責任が定められても、実効性に乏しいことが明らかになったからです。
Q 具体的にどのような資力確保措置が義務付けられたのですか?
A 瑕疵担保責任の履行を確保するために、毎年の基準日において、過去10年間に引き渡した新築住宅の引渡戸数(供給戸数)に応じて算定される瑕疵担保保証金を供託することが義務付けられました。
但し、業者が「住宅瑕疵担保責任保険」という保険を掛けた場合は供託の必要がなくなります。なお、故意、重過失による瑕疵の場合は、1戸あたり500円で拠出される基金で対応されることになります。
Q 建設業者等が特定瑕疵担保責任を負う場合に、何らの対応をしないときには、住宅購入者等は供託所に直接、支払い請求できるのですか?
A ①瑕疵に基づく損害賠償請求権について裁判による判決等の債務名義を取得した場合、②当事者間で公正証書等を作成し、建設業者等が損害賠償責任の存在及び内容を認めている場合等は、住宅購入者等は、瑕疵の修補による損害の額について供託所に直接、支払請求することができます。
又保険がかけられている場合は、裁判でなく弁護士会にある住宅紛争審査会で多額の費用を必要とすることなく解決できます。
Q この法律の施行はいつになりますか?
A この法律の公布は平成19年5月30日ですが、この日から、住宅瑕疵担保責任保険法人の指定に関する規程は1年を超えない範囲内で、瑕疵担保保証金の供託又は保険契約の締結の義務に関する規程は2年6ヶ月を超えない範囲で、いずれも政令で定める日からそれぞれ施行されます。