稲井法律事務所

ご質問・ご相談

離婚の手続き

Q 私は夫と離婚したいと思いますが、離婚の方法を教えてください。

A 離婚の方法は4つあります。当事者の話し合いによる協議離婚、家庭裁判所(家裁と略します)の調停による調停離婚、家裁の審判による審判離婚および地方裁判所(地裁と略します)の判決による判決離婚です。

Q どの方法によるのが良いでしょうか。

A 当事者の話し合いによる協議離婚が成立すれば、それに越したことはありません。

Q 協議離婚の手続きは?

A 当事者間で話し合って離婚に合意すれば、「離婚届」を最寄りの市区町村役場へ提出するだけでよいのです。届出用紙は役場でもらえます。本籍地以外の役場へ提出するときは、戸籍謄本を添付しなければなりません。

Q 離婚届にはどんなことを書きますか。

A 当事者双方と成人の証人2名が署名捺印すればよいのです。印鑑証明書は不要です。未成年の子がいれば、夫か妻のどちらかを親権者に決めて記載します。婚姻の際に姓を改めた配偶者が離婚しても旧姓に戻りたくないときは、別に「離婚の際に称していた氏を称する届」を出します。

Q 一度は離婚に同意して離婚届に印を押したけれども後で気が変わって離婚したくなくなったときや、だまされて離婚の同意をさせられたときに、相手方が離婚届を役場に提出するのを防ぐ方法はありませんか。

A そのようなときは、役場で「不受理申出書」の用紙をもらって離婚届が提出されても受理しないでくれと申出ておくと協議離婚の成立を防止できます。これは6ヵ月間だけ有効ですから、勝手に届出られる危険がなくなるまで、6ヵ月毎に期限の切れる前に届出を繰返さなければなりません。

Q 協議離婚が成立しないときはどうすればよいでしょう。

A そのときは家裁へ離婚の調停を申し立てることになります。

Q どこの家裁へ申し立てるのでしょうか。

A 相手方配偶者の住所地を管轄する家裁またはその支部や出張所です。近くの家裁へ電話すれば教えてくれるでしょう。

Q 夫が家出して行方不明のときは、どこの家裁になりますか。

A 相手方が行方不明では調停の申立はできません。このときは、例外的に、調停を省略してただちに地裁へ離婚の訴訟を起こせます。通常はまず家裁で離婚の調停をしてみて、それが不成立のときだけ地裁へ離婚の訴訟を起こせることになっています(これを調停前置主義といいます)。

Q 審判離婚とはどうするのですか。

A 家裁へ調停を申し立てたが成立する見込みがない場合に調停に代わる審判として行われます。しかし2週間以内に異議申立があれば効力を失います。実際に利用される例は少ないそうです。

Q 離婚訴訟はどこの地裁へ起こすのでしょうか。

A 相手方配偶者の住所地を管轄する地裁かその支部です。相手方が行方不明のときは、その最後の住所地を管轄する地裁またはその支部です。